青空文語

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スフィアが充電期間に突入した

 2009年のスフィア結成から今日に至るまで、スフィアは文字通りノンストップで駆け抜けてきた。そんなスフィアの活動も『Sphere live tour 2017 “We are SPHERE!!!!”』追加公演の終了をもって充電期間に入ることになる。

 今年の3月4日に行われた『スフィアスーパーライブ2017 ミラクルスフィア in 代々木第一体育館 1日目』で、充電期間の発表がされた時のなんともいえない空気は今でも覚えている。ファンの中にあるもやもやした不安のようなものが、一気に会場に充満したような、そんな空気だった。

 公式からアナウンスされているように、この充電期間突入はそのままスフィアの活動の終わりを意味するものではない。だが、これを何かの始まりだと受け取ることができたファンは一体どれほどいただろうか。今まで決して止まることなくここまで来たスフィアが、その歩みを止める。これは、やっぱり何か一つのことが終わったんだと僕は思う。

 僕はこの事実をなかなか受け入れられない。できることならスフィアの"Non stop road"をこの先もずっと見ていたかった。それが明確な理由もない充電期間の存在で途絶えてしまうことを悔しく思う。

 しかしいよいよその日が来てしまったので、スフィアのことを心ならずも振り返ってみる。
 
 最初の衝撃は戸松遥だった。

 当時オタクの雛(?)だった僕は「motto☆派手にね!」のPVを観て衝撃を受けた。当時の感情を表現する上手い言葉は見つからないが、こんな可愛い子がいるのかと思った。…これに尽きると思う。鏡の前で一人ファッションショーをする戸松さんの姿は、ただただ可憐で天真爛漫で、輝いてみえた。

 それからスフィア結成まではあっという間だったが、結成イベントとなった『ミュージックレインgirls 春のチョコまつり』は残念ながら行っていない。

 当時は「オタク始めました」という看板をぶら下げていた頃だったので、イベントに行くという発想がなかった。なので僕が本格的にスフィアにハマり始めたのは、デビューシングル「Future Stream」の発売からだった。ファンとしては新参者だ。

 そして、ここで第二の衝撃がやってきた。

 デビューシングルである「Future Stream」は一度聴いただけでこのユニットは売れると確信できた。これは童貞の僕でも一瞬で理解できるレベルだった。だってすごかったんだもん。

 「Future Stream」という楽曲の完成度もさることながら、スフィアというユニット名に込められた歌声の調和が、今までにない特別な響きを持って確かにそこに存在していた。この曲を聴いた瞬間から、本当の意味で僕はスフィアのファンになった。

 僕の予想に何一つ反することなく、スフィアという新星はその勢いを増して、スターへの階段を一気に駆け上がっていた。ライブを次々と成功させ、CDの売り上げも伸び、ソロでの活動も充実し、ファンも増えた。ここからの活躍はもう、皆さん知っての通りだ。

 スフィアを好きになってからの日々は、本当に楽しいことばかりだった。毎日のようにスフィアのことを考えていた。この楽しさを僕なりに一言で表現するとすれば「スフィアがいつも新しい景色を見せてくれる楽しさ」だと思う。イベントがあったり、ライブがあったり、CDが出たり…。とにかく新しいことが始まるたびに次々と新しい景色を見せてくれた。

 まぁこの辺は他のことでも同じだったりするのかもしれないけど、僕にとってこういう存在は、スフィアだけだった。だから特別だった。そしてこれは、僕以外の誰かにとっても同じだったんじゃないかと思う。

 そして、充電期間前ラストとなった幕張公演。
 
 高垣彩陽さんの口から「世にいう他界した人」という言葉があった。僕はこういうことに関しては、話題にしないと思っていたので、スフィアからこの話が出るのは意外だった。これは、スフィアにとって小さくない問題であった。

 もし、今回の幕張公演に「充電期間前ラスト」という枕詞がついていなかったら、来なかったという人も多いのではないだろうか。

 スフィアの人気が陰り始めたのは、2013年頃からだと思う。これは売り上げ的なところもそうだし、僕の周りでもそういう傾向があった。2012年くらいまでは、飛ぶ鳥を落とす勢いだったのだが、それも長く続くものではなかった。2013年から2016年くらいまでの間に「世にいう他界」をする人が多く出たように思う。

 今のスフィアがあることに、この他界した人たちが多大な貢献をしてきたのは間違いない。だが、やはり寂しい気持ちはあった。その人たちがどうというよりは、やっぱりファンあってこそのスフィアなので、なんとなく「スフィアもこうやって終わっていくのかな」という寂しさがあった。でもこれは本当に仕方のないことで、物事には旬みたいなものがあるのは当然のことなのだ。スフィアはアイドルなのだしなおさらだ。
 
 彩陽さんは幕張公演の最後の挨拶で「一度でもスフィアを好きになった人は"We are SPHERE"なんです。みんなが5人目なんです。」と言っていた。この言葉は本質を突いているし、こういう懐の深さがあったから、スフィアはここまで多くの人に愛されるユニットになったんだと思う。おかげで僕みたいな弱小ファンも、ここまでついてくることができた。

 ライブ自体も最後にふさわしいものだった。「Spring is here」のアレンジも素晴らしかった。「Super Noisy Nova(アコースティックver)」でまたスフィアの新しい一面が見れた。そして「サヨナラSEE YOU」。今まで聴いてきた中で最も歌詞が心に染みた瞬間かもしれない。他の楽曲も含めて、スフィアのライブはやっぱり楽しいし、まだまだ進化していけるんじゃないかって思った。

 それだけに活動が途絶えるのは寂しい。短い期間だと言うのは簡単だけど、それまで当たり前にあったものがなくなってしまうのは大きなことだ。こういうのは水物だし、充電期間が終わった時にスフィアがどうなっているのかわからない。自分自身もどうなっているかわからない。

 僕はわがままな性格だから、こういう不安があるのは耐え難いし、活動続けてくれよ…っていうのが正直なところだ。でも

 スフィアに伝えたいことは「ありがとう」と「お疲れさま」になるんだと思う。

 スフィア結成から8年。ここまで本当にいろいろなモノを与えてもらったしその存在に救われてきた。応援していく過程で友達も出来た。これもスフィアが与えてくれたものの一つだ。スフィアが多くの人に愛されることが、まるで自分のことのように嬉しく思える、そんな日が来るなんて思っていなかった。ファンで居られて本当によかった。

 僕は1人のファンに過ぎないけど、ここまでノンストップで駆け抜けてきたスフィアに最大級の賛辞を送りたい。そして

 またスフィアと一緒に新しい景色を見られると信じて、その日を待っていようと思います。